【MY STORY】次はイッテQ!への挑戦!? 夢の開拓を続けるスウェーデン人 ヤンニ・オルソン

MY STORY

アウトドアの仕事を通じて、
日本と北欧をつないでいきたい!

スウェーデン出身の「山ガール」ことヤンニ・オルソンさん。現在はアウトドア番組のレポーターやイベント出演、雑誌への寄稿など幅広く活躍中です。日本のアウトドア業界で活躍する外国人タレントは少ない中、ヤンニさんはどのようにキャリアを切り開いたのでしょうか?日本で活躍したい人へのアドバイスも具体的に教えてくれました。

着ぐるみマスコットからモデルに!

スウェーデンにいた頃、テーマパークの着ぐるみマスコットとして働いていたことがあります。でも、その時はエンタメ業界で働くとは思っていませんでした。
本格的にモデル・タレント活動を始めるきっかけとなったのは、東京の学芸大学に1年の交換留学で来ていた時のこと。モデルをやっていたクラスメイトから「カップルオーディション」の手伝いをして欲しいと言われたんです。そのオーディションの後、彼のマネージャーが「あなたも事務所に入ってみてはどう?」と声をかけてくれて、エンタメ業界に改めて挑戦することにしました。

偶然の出来事が、私の人生の転機

最初に日本を訪れたのは、高校卒業後のこと。兄が予定していた旅行をキャンセルしなければいけなくなって、代わりに私が行けることになり、その行き先が偶然日本だったんです。その時は日本のことはほとんど知りませんでした。でも、5週間ほど旅行した後、日本という国、日本の文化、そして日本の人のことが大好きになってたんです。

日本が大好きになったきっかけは、旅行中に出会った女性です。その日、姫路城の隣にある日本庭園の観光に訪れました。お城を見学して昼食をとり、庭園を歩き、茶室で茶道も経験しました。素晴らしい一日でした。でも、一日の旅行の疲れがピークに達して、ホテルへ帰るために駅へ向かい始めました。
その道中、急に雨が降ってきたんです。突然なので、傘なんて持っていません。ずぶ濡れになることを覚悟しました。その時、自転車が急に止まって、誰かが傘を手渡して、すぐに雨の中に消えていったんです。あまりの出来事にびっくりして、それが誰だったのか気付くまで何秒もかかかりました。その人は、昼食をとったレストランで働いていた50代くらいの女性でした。その女性のやさしさは、私の心を動かしました!私に傘を渡せば、自分自身がずぶ濡れになると知りながら、数時間前に会ったばかりの私に傘をくれたのです。

外国でバックパッキングをしていると、刺激的で面白い反面、疲れもでやすいです。その地域の言葉を話せないことで、食べ物を頼んだり、泊まる場所を見つけたりすることが難しかったりします。私の場合、たいていはお腹がすいているか、迷子になっているか、ヘトヘトになっているか、もしくはその全部です。その女性と会った日はまさに全てを背負い込んでいる日でした。でも、彼女が立ち止まり、傘を手渡してくれたとき、疲れは全部どこかに吹き飛んでしまったような感覚になりました。見知らぬ人に見せてくれた日本人の優しさに感動して、この国やそこに住む人が大好きになりました。それから13年が経ち、今は日本に住んで日本のエンタメ業界で働いています。偶然が人生を変えるって面白いと思いませんか?

日本とスカンディナビアをつなぎたい

私にとって大きな意味を持った仕事でいえば、NHK Worldの“Trails to Oishii Tokyo”(元“Trails to Tsukiji”)いう番組です。この番組で初めてレポーターとして仕事をしました。プロデューサーやディレクターが私を信頼してくれて、レポーターとしての基礎を一から教えてくれて、サポートしてくれたんです。この番組とスタッフのおかげで、モデルだけではなく、タレントやレポーターとしての仕事もできるようになったと思います。お気に入りの仕事でいえば、Be-Palという雑誌の記事のため、ノルウェーのロフォーテン諸島を旅したことです。私は日本とスカンディナビアをつなぐ仕事がしたいと心から思っていたので、まさに夢が叶った瞬間でした。さらに、この仕事の素晴らしかったところは、スカンディナビアに戻ることができたことです。一週間以上滞在して、キャンプ、カヤック、そしてトレッキングなどを経験することができました。

今後、日本で出演してみたい番組は「世界の果てまでイッテQ」ですね!ほとんどの外国人は、日本のテレビ、特にコメディに慣れるのに時間がかかると思います。文化が異なるので、笑いのツボはみんな違いますし、中でも日本のお笑い文化は、世界と比べても独特だと思います。そんな中で「イッテQ」は、私が興味を持った番組の一つでした。特に面白く感じたのは、イモトアヤコさんが世界中の山を登るコーナーです。初めて見た時、楽しさと同時に興味深くもあり、「この先どうなるんだろう?」と最後までずっとワクワクしながら見続けていました。私もこの番組に出演して、ワクワクする気持ちを届けてみたいと考えています。

「アウトドア×エンタメ」にチャレンジ!

私は「大好きなアウトドアに関わる仕事がしたい!」とずっと願っていたんです。でも、最初の頃は「難しいのでは?」と言われたこともありました。なぜなら当時、そのような仕事をする外国人モデルはいなかったからです。その上、アウトドア業界の仕事は、CMの仕事などと比較したとき、生活していくための十分なお金を稼ぎにくいということも理由の一つでした。でも最近では、事務所、友人、家族、そしてエンタメ業界やアウトドア業界の人たちのサポートもあり、自分の好きなことを仕事にできるようになっています。アウトドア雑誌の記事を書いたり、国内外のアウトドアイベントにも呼ばれるようになりました。強い想いは叶うものですね!

自分にしかできないことを見つけてください

日本のエンタメ業界で活躍したいと思っている方に、私ができるアドバイスは「ニッチ」を見つけることです。もしあなたが、「自分が何をしたいのか」、「何が得意なのか」を見つけようとしているならば、いろいろなことにトライして欲しいです。そして、「自分だけの強み」を見つけてください。一年くらいは特技がなくても活躍できるかもしれないけれど、その間に成長したり、ニッチな特技を見つけることが必要です。そうでないと、クライアントはあなたに新鮮味を感じなくなって、ニューフェースの方を選んでしまうかもしれません。

では、「ニッチ」を見つけて、自分のやりたいことを決めたとします。でも、まだその分野の世界チャンピオンでもなければ、特別な力もないと思います。挑戦したい気持ちはあっても、その分野での経験がないとすれば、どうすればいいのでしょうか?あなたにできることは2つあると思います。「何もしないまま、いつの日か魔法のように夢が叶う」ということは決してありませんよ。

まず、家族や友人の助けを得ることです。私の場合、アウトドアやスポーツの仕事をもっと増やしたいと思っていました。でも、その分野でのプロとしての経験は全くありません。幼い頃から好きな分野でしたが、それを証明するものは何もなく、クライアントにアピールできることもありませんでした。そこで私は、スウェーデンに帰るたびに、私の兄や母に頼んで、私が好きなことをしている姿を写真に撮ってもらいました。日本にいるときは、友人に頼みました。最初は頼むことを恥ずかしく感じるかもしれませんが、自分の周りで物事を動かせる一番簡単な方法です。

2つ目のアドバイスは、自分の夢の実現に積極的であることです。夢が何であれ、できるだけたくさんの経験を積み、できるだけたくさんの知識を得ることが大切です。展示会に行ったり、セミナーやワークショップに参加したり、TVを見たり、ブログを書いたり。そして何よりも自分と似たような興味がある人とつながりを作ることです。あなたの夢への扉を開いてくれるのは、「パーティで偶然出会う人かも」ということを覚えておいてください。

リラックスするための時間を大切に

私は、「自分のやりたいこと」と、「将来のキャリアにとって有益なこと」とのバランスを取ろうとしています。休みの日はよく山に行きますし、オーディションの間に空き時間があれば、ボルダリングやジムに行くようにしています。家にいる時は日本語の記事を書いたり、ボキャブラリーを増やすための読書も欠かさずに行っています。レポーターとしての仕事のスキルを磨くためのボイストレーニングや、テレビを見ることも日常生活の一環。日本人の友達と話すことも、リラックスできると同時に、日本語の上達にもなっています。でも時々、完全にリラックスして、毎日のストレスから逃れたいと思う日もあります。そんな日は、クロスバイクで東京を走り回りながら、カフェでコーヒーを飲んでのんびり過ごします。

日傘に驚きました!

日本に来て驚いたこと。それは、女性が晴れの日に傘をさして歩いていること!スウェーデンはとても寒く、曇りの多い国なので、太陽を見る機会があまりないんです。だからスウェーデンの人々は日焼けすることが大好き。太陽の光をとても大切にしています。でも東京で暮らすようになって、日傘に驚くことはなくなりましたよ。だって、とても暑いから(笑)。今では私も出かけるときは、日陰を歩くようになりました。

自分が支えてもらったように、私も誰かを支えたい

これまで多くの人たちが、私の夢の実現に向けてサポートしてくれています。いつの日か私が成功したとき、次に成功を目指す人々の支えになりたいと考えています。ふとしたとき、孤独を感じてしまうこともあるかもしれません。でも、知らないところで、たくさんの人があなたを支えようとしてくれているはずです。それを覚えておくことは大切です。私自身、苦労しているときに助けてくれた人たちのことは忘れられません。いつの日か恩返しがしたい。そして、別の新しい人たちを助けていきたい!私が「成功したい!」と願うモチベーションの一つは、 誰かを支える可能性を手にしたいと考えているからです。その目標実現に向けて、人々を笑顔にすることができるタレントとして、新しい強みを増やしながら挑戦し続けていきたいです。

TEXT:Janni Olsson/TRANSLATION:Masaya Kubota/EDITOR:Write Design )


写真は、2019年8月 韓国ソウルで開催されたSeoul Webfestで助演女優賞を受賞した際、
主演のクリス・マッコームスと。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000034913.html 〈外部リンク・PR times〉

ヤンニ・オルソン/Janni Olsson
山・海・キャンプ・温泉を愛する超アウトドア派の北欧出身タレント
所属事務所プロフィール

〈Ameba blog〉ヤンニ・オルソンの日記
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